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DSEI Japan 2025 速報──ヘンゾルト

  • 日本の防衛

2025-5-29 20:35

2025年5月21日から23日まで、千葉県の幕張メッセで開催された、日本で唯一の統合型防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan 2025」。主要な出展ブースの展示内容を、個別にお届けしよう。井上孝司 INOUE Koji

 ヘンゾルトは、エアバスの防衛部門から防衛電子機器の部門が独立してできた、ドイツのメーカー。艦載用のレーダーや電子機器、潜水艦向けの潜望鏡といったあたりが知られているが、航空機搭載用の電子戦機材も手掛けている。

 そのヘンゾルトは今回のDSEI Japanに、航空機向けの電子戦機材に加えて、非貫通式の潜望鏡など、潜水艦向けのセンサー機材を出してきた。同社の非貫通式潜望鏡には「OMS200」と「OMS150」があり、展示されていたのは大型の「OMS150」の方。複数の種類のセンサーをひとつの光学マストにまとめて、状況に応じて使い分けられる構成が売り。

「OMS150」の光学マスト。表面をレーダー電波吸収素材で覆い、形状にも工夫をすることでステルス性を高めているとの説明 写真:井上孝司
潜望鏡で水面上を見た可視光線映像のサンプル。4KカラーTV(3,840×1,024ピクセル)で、これのほに低光量TVや赤外線センサーの用意もある。夜間あるいは悪天候下では、赤外線チャンネルに切り替えることとなろう 写真:井上孝司

 もうひとつが、シュノーケル・マストに取り付ける光学センサー「OctoEye360」。シュノーケル航行で充電しているときに、哨戒機やヘリコプター、あるいは敵艦の接近を知る手段となろう。

これが「OctoEye360」。8個のセンサーで全周をカバーするところが名称の由来。これをシュノーケル・マストの頂部に取り付けると、全周視界の監視が可能 写真:井上孝司
「OctoEye360」の頂部には、別のアンテナを追加できる仕掛けがある。たとえばここにESMのアンテナを取り付ければ、レーダーで捜索している誰かさんの存在を逆探知できる。しかも海面に突き出すのはシュノーケルだけで済み、潜望鏡は詳しい観測が必要になるまで引っ込めておける 写真:井上孝司
井上孝司INOUE Koji

1966年7月生まれ、静岡県出身。1999年にマイクロソフト株式会社(当時)を退社してフリーライターに。現在は航空・鉄道・軍事関連の執筆を手掛けるが、当初はIT系の著述を行っていた関係でメカ・システム関連に強い。『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリーのゲームチェンジャー』(潮書房光人新社)、『F-35とステルス』『作戦指揮とAI』『軍用レーダー』(イカロス出版、わかりやすい防衛テクノロジー・シリーズ)など、著書・共著多数。『Jウイング』『新幹線エクスプローラ』『軍事研究』など定期誌や「マイナビニュース」「トラベルウォッチ」などのWEBメディアにも寄稿多数。

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